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黒瀬モーターサイクル
東広島市黒瀬町のバイク屋日記
エンジンオイルが白い
オイル交換は、バイク屋の仕事の中でも一番多くする仕事です。

たまにエンジンから抜いたオイルが、白く濁っている事が有ります。

普通は黒く汚れていますが、白いのでお客様が驚かれる事が有りますので、今回のネタにします。

オイル交換して、出てきたオイルです。

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コーヒー牛乳みたいですが、これは水とオイルが混ざり、乳白化したものです。

普通オイルと水は混ざらない物ですが、撹拌されるとこの様になります。


今回抜いた車両は原付のトゥデイです。

お客様の使用状況を尋ねた所、近くに買い物とゴミ出し位だそうです。

この様に短距離をチョコチョコ乗りを繰り返すと、結露によりエンジン内に水がたまりこの様になります。

エンジンの中は密封されており、湿気が入る事は無いと思っている方が多いですが、ブローバイ通路により入ってきます。

詳しく言えばそれ以外にも入る事が有りますが、ほとんどはブローバイ通路より入ってきます。


せっかくなのでこの白くなったオイルを炙り、水分を飛ばしてみます。

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全部炙ると大変なので、少しだけ実験してみます。

下から炙ります。

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オイル内の水分が沸騰してきました!! グツグツ!!

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沸騰して泡になっているのが水の部分です。

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泡が余りで無くなりましたのでこれまで!!

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普通のエンジンオイルになりました。


つまりしっかり温めて蒸発させれば、乳白化は起こりません。

結露は外気が冷たく中が暖かい場合、エンジンの内壁に水がつきます。

つまり走行後です。


次に走った時に十分にエンジンを温める前にエンジンを切ってしまうと、どんどん水がたまりこの様になります。

十分に温めてやれば上の写真のように蒸発して、ブローバイガスと共にエンジン外に出て行きます。


今回は原付のスクーターで、チョコチョコ乗りしかしないので、余り白いからと言って気にし過ぎないでもいいと思います。

余りスピードも出さないそうですし。

たまには距離を乗って水を飛ばせばいいのですが、なかなかこの方は難しいと思いますので、こまめに交換をお勧めしました。


この様に乳化させてしまう方で怖いのは、走ってベアリング等を傷める事よりも、しばらく乗るのを止めた時です。

エンジンの中に水が有りますので毎日動かしている間は大丈夫ですが、しばらく止めてしまうとサビが出てしまいます。

その錆の出る箇所がシリンダー等ならまだ良いのですが、悪い事にベアリングに来る事が多いです。

暫く振りにエンジンを掛けたら、ゴーゴーミーミー言いだした、なんてて事に為らない様に気を付けて下さい。


後は気を付けないといけないのは、カブやモンキーやエイプ等の湿式クラッチ板です。

コルクの様な物が水でふやけ、張り付いたり、ひどい場合は全部剥がれ落ちた事もありました。


原付以外のオートバイの場合、チョコチョコ乗りをする方は余りいないと思いますので、乳白化した場合は冷却水や雨水に気を付けて下さい。

それと乳化したオイルを温めるのに、エンジンをブンブン回して焼きつかせない様にして下さい。

言っとかないと、やりそうな方も居そうなので!!

この場合はオイル交換とフラッシングです。


話は変わりますが、ペール缶に廃油を入れて保管していて、雨水で乳化させてしまった場合も炙る事で分離させる事が出来ます。


おわり
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